とっても伝統的な健康食、味噌汁
「味噌汁は医者殺し」「味噌汁は朝の毒消し」といわれるように、味噌汁は古くから日本人の健康を支えてきました。
日本人が味噌汁を飲むようになったのは、今から800年ほど昔の鎌倉時代。庶民の生活にも普及し始めたのが江戸時代からと、長く長く私たちの食生活に寄り添っています。
昔から味噌汁は「実の3種は身の薬」といわれ、具を3種類いれた味噌汁は自然と栄養バランスが整い、健康維持に役立つとされてきました。
現代は食の欧米メニュー化、食卓に登場する機会がやや少なくなってきています。しかし現代人の健康課題には、味噌汁はたいへん有効な健康食。 最近では、世界的な健康ブームから、「ミソスープ」は世界でも注目を集めつつあります。
過食気味…そんな時こそ、味噌汁を
現代人は過食傾向にあるため、食べ物の消化活動にエネルギーを消耗しすぎ、代謝や解毒機能が低下しがち…
食べ過ぎはさまざまな健康トラブルの原因とも言われています。
内臓が疲れているときは、食べることを休むのも必要!
とはいえまったく食べないということも不健康…そんな時こそ味噌汁の出番。
発酵食品である味噌と麹、多種な雑穀で栄養が取れるお味噌汁は、バランスを整える最適の食べ物です。くらしを整えるには、菌と食物繊維が重要と私たちは考えます。
栄養たっぷりで身体を温める効果もあるので、疲れた内臓をいたわりつつ、栄養を摂ることができます。
適度な運動とお味噌汁、体が嬉しいと心も嬉しいのです。
味噌界の大事な裏方、麹!
「善玉菌」を多く含有する「米麹」「豆麹」「麦麹」などは、発酵の素となる大事な裏方。それぞれ味わいに特徴があり、味噌の深い味わいや個性を醸します。味噌では主に米麹が使われますが、用途や好みでブレンドしたり、地域や蔵の違いを見つけたりしても楽しいもの。麹の力で美味しいお味噌へ、感謝です。
①米麹…蒸したお米にこうじ菌を種付けし、繁殖・発酵させたもの。「酵素の宝庫」で、その大活躍ぶりは、味噌・醤油・酒…と日本の発酵食に欠かせないものです。
②豆麹…豆麹は、柔らかくした大豆に種麹を付けて、発酵させたもの。東海地方の八丁味噌は豆麹から作られる個性派です。
③麦麹…麦味噌は九州や瀬戸内で主に造られます。麹の割合を多く造られることが多いため、麦の持つ甘さで味は甘みが強く、香りに他の味噌に比べ香ばしさが特徴。
その他・紅麹。主に米を発酵させる中国で重宝されるもの。千五百年前から活用されていたと言われ、紹興酒や豆腐ようなどに使われます。